ベネトンの苦悩は、一本調子で伸びてきたブランドが一度はどこかで突き当たる共通した悩みでもある。CSは海外ブランドがこれまで最もおろそかにしてきた点である。その商品を消費者が着て、どれだけの満足感を得ることができるのか。ブランドの存在価値はそこにある。いかにして消費者の満足を得ることができるか、ベネトンの挑戦は海外ブランドが日本で生き残っていくための大胆な試みとして、その成否が注目される。長引く不況のなか、ファッションデザイナーは試練の時を迎えている。有力デザイナーの中には、企業組織を離れて独自の創作活動を始めたり、活動の拠点をファッションの中心であるパリに移したり、ショーのやり方を変えたりと、様々な取り組みが始まっている。いずれも、このままでは創造性あるデザイナーとして生き残れないという不安感があるからだ。